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その他もろもろ(四方山話) 投稿

 アイルランド・ダブリン発の四方山話 "もろもろの事柄"

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アイルランド式余暇の過ごし方 (Leisure in Ireland)

2014年7月30日
今回のトピックは「アイルランドにおける余暇(休日や自由時間など)の過ごし方」について。ほんの数年前までアイルランド国内には常設のスキー場やアイススケートリンク、遊園地、打ちっぱなし場などが存在しなかった。それらは今でこそさほど珍しくはなくなったものの、まだまだ全国的に数は少なく規模も小さい。このような点からみても日本と比べ娯楽が少ないと言えるが、その代わり美術館や水泳プール、ゴルフ場などの施設を気軽に利用できるという良さがある。ここでは長期休暇の場合や、仲間/友人とパブで雑談したり(または大酒を飲んだり)、買い物や映画、食事、スポーツ観戦、ライブ/コンサートに行くなどのごくありふれたものは除外し、日本での余暇の過ごし方とは一味違ったものをいくつか紹介してみよう。

a ) 郊外や地方の賃貸コテージ/家屋でパーティー(底抜け騒ぎ)三昧

アイルランドの人々は程度の差こそあれパーティー好きが多く、特に若者は遠出して週末を大勢で賑やかに過ごす事を好む。ホームパーティーはもちろん、町外れの一軒家などを2~3日借り切って、10人から20人ほどの集団が飲めや踊れのどんちゃん騒ぎに興ずるのも娯楽のひとつだ。(これが中高年の場合は"飲めや歌え"となる) 家族や同居人、隣人等に気を遣う必要が無いこともあり、解放感から薬物パーティーに発展することも少なくない。

b ) デモ行進などの抗議行動に参加

抗議行動や反対運動は以前に比べてやや数が減ったように思うが、それでも首都ダブリンでは時折り大中小規模の抗議デモ等を目にする。参加者にとってデモ活動は世間への意思表示もさることながら"仲間と共に過ごす時間"としても重要で有意義なものであると言えよう。また、共通の目的や同じ考えを持つ者達ばかりでなく空き時間の使い方が分からない若者達ひひひも多く結集するのが実情らしい。(俗に言う失業手当受給者の暇つぶしデモ)

c ) 芝居見物

アイルランド(主に都市部)には数多くの劇場があり、一年を通じて演劇だけでなくコンサートやミュージカル、バレエ、オペラなどが催されている。この国は何人もの著名な劇作家を輩出しており、演劇に対する国民の関心が高いということもあるが、何より芝居見物は手頃な料金で手軽に楽しめるため (催し物によるが) とりわけ中高年層に人気のある余暇の利用方法だ。因みに、通常アイルランドの劇場では日曜公演はない。

d ) 園芸やペンキ塗りなどの家仕事

日本では稀かもしれないが、DIYで室内の壁や天井の塗り替えをするのはこの国では至極当たり前に行われていることであり、人によっては年に1~2度など定期的に塗装作業をする場合もある。壁紙が次第に使用されなくなっており、今は費用を抑えられ煩わしさも少ない塗り替え(ペンキ塗り)が一般化している。ストレスを解消し気分転換する効果があるという点からも休みの日にはもってこいの行動であろう。園芸(庭いじりとも言う)もアイルランドでは盛んに行われている娯楽で、晩春/初夏の週末ともなればあちこちの園芸用品ホームセンター (garden centres) は多くの人々で賑わう。癒し効果はもとより、UKと同様、当国における庭所有者の割合が他の欧州諸国(例えばドイツ、フランス)のそれより高いことも園芸愛好家の多さに貢献していると考えられる。また、ガーデニング、園芸関連のコースやクラスの数も半端ではない。自宅で芝刈/草刈、庭造り、室内外の塗り替えなどをしながら人々は貴重な晴天の休日を過ごすのである。

e ) ヨット・クラブやスキューバ・ダイビング・クラブなどに所属

アイルランドには結構な数のヨット・クラブやスキューバ・ダイビング・クラブがあり、単純にクラブ数の総人口に占める比率を比べてみると日本のそれをいくらか上回っている。こういったマリンスポーツは手間暇がかかって費用もかさむと思われがちだが、この国では決して贅沢な趣味ではなく子供から中高年層まで気軽に楽しめる言わば人気レジャー活動の一つである。(実は金にあまり縁がなく尚且つモノグサな筆者でさえヨット・クラブの会員だった事あり。) 帆走の選手権大会や潜水の催し物などの際はメンバー、非メンバーを問わず幅広く参加できる。

f ) 聖歌隊で歌唱

言うまでもなくここはキリスト教国のため、大聖堂及びある程度大きな教会には聖歌隊 (church choirs またはコーラス "choruses") がつきものである。毎週の練習に加えて礼拝や儀式で歌うのはもちろん、さらにはテレビやラジオに出演したり巡回公演をする聖歌隊もある。少年/少女聖歌隊、成人の聖歌隊と年齢層も様々で、聖公会の教会や大聖堂では異教徒無宗教者の聖歌隊員を受け入れているところさえ存在する。場合によってはかなりの時間と努力を費やすこともあり、余暇の娯楽としては遊びの領域を超えているとも言えるだろう。

g ) アルコール依存者更生会に出席

ご存知の様にアイルランドには数知れぬほどの慢性アルコール依存症者(及びうつ病併発者)がいる。また、アルコール依存症に近い状態の人間も山ほどいる。そのため、土日を含め週に数回教会や病院の一角など、全国至る所で無数のアルコール依存者更生会 (Alcoholics Anonymous Meetings) が行われ、老若男女が集い合って(自助グループ)断酒に取り組んでいる。断酒継続の目的ばかりでなく、人との出会いの場でもあることから足繁く通う者もいるようだが。Ha!

例によってざっといくつか挙げてみたが、見慣れ聞き慣れてしまったために考えつかないものがあろうかと思う。また、他にスポーツや習い事、ボランティアなどの活動もあまり特殊性がないものとして除外した。

 

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