Head image on the left
From Dublin
books
four cats
Trees
Rugby Ball
欧州《ヨーロッパ》のラグビー 投稿

 『ヨーロピアン・ラグビー』 欧州ラグビー・ユニオンについて

division

今回紹介するのは「夏の海外遠征/国際試合 (Summer Tours 又は Summer Internationals) 」。

International Rugby Union - Summer Tours

2013年7月10日
ワールド・カップのある年を除き、毎年5月末から6月末頃の間 (国内のプロ・リーグ・シーズン終了後) ホーム・ネイションズならびにフランス、イタリアの国/地域代表チームは南半球、北アメリカあるいは日本などに遠征し、ホスト国とテスト・マッチ (または”ノン・キャップ試合”) を行う。キャップ対象ではないが、毎年イングランドが海外遠征前にバーバリアンズと対戦する試合なども夏の国際試合に含まれることがある。

今年の遠征では、まずザ・ライオンズがオーストラリアと対戦し、スコットランドとイタリアは南アフリカ4ヶ国トーナメント 'South African Quadrangular Tournament' に参加、フランスはニュージーランドと、イングランドはアルゼンチンと、またアイルランドはアメリカ、カナダとそれぞれテスト・マッチを行った。そしてウェールズは(既によくご存じだと思うが)日本遠征で代表チームとテスト・マッチを戦い1勝1敗(ウィンク)。両方とも結構良い試合だったらしいが、いかんせんこちらでは (家の受信形態では) テレビ中継が無かったため観戦出来ず。しかしながら日本代表の奮闘ぶりはこちらでも評判になった。エディ・ジョーンズ氏のヘッド・コーチ起用が功を奏しているのだろうか。。。

実はホーム・ネイションズのチームは夏の遠征にしろ秋の国際試合にしろ戦績はあまり芳しくない (主に南半球のチームが対戦相手の為)。特に遠征先のウェールズは精彩に欠けるようだ。シックス・ネイションズでは好成績を残しているにもかかわらず夏の国際試合過去10年間の結果は6勝13敗 (豪州、南ア、NZに対しては勝ち星なし) と、北半球で一、二を争う強豪チームらしからぬお粗末さ。長いシーズンが終わった直後で疲労が蓄積しているせいというのを理由に挙げる向きもあるが、 ワールド・カップでの戦績も今ひとつ振るわないウェールズ代表、何とも不思議な集団である。

アルゼンチン対イングランド第二戦
アルゼンチン対イングランド第二戦
2013年6月15日

今夏の海外遠征/国際試合の結果をざっとおさらいしておくと、オーストラリア対ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズはザ・ライオンズが2勝1敗、スコットランドは南アフリカ4ヶ国トーナメント第3位、イタリアは同トーナメント第4位 (つまり最下位)、ニュージーランド対フランスはニュージーランドが3戦全勝、アルゼンチン対イングランドはイングランドが2戦全勝、アイルランドはアメリカとカナダの両チームに対して1勝ずつを挙げ、ウェールズは日本と対戦し1勝1敗に引き分けた。

ニュージーランド対フランス 第三戦
ニュージーランド対フランス 第三戦
2013年6月22日

テレビ中継の無かったアメリカ、カナダ対アイルランド二試合と日本対ウェールズ二試合以外は全て観戦したが、意外にも一番印象深かったのがニュージーランド対フランスの2戦目だった。スコアは30–0とニュージーランドの圧勝だったが、主力を何人か欠いたフランスは再三にわたり敵のトライ・ラインを脅かしていた。NZの独擅場のようで、実際は最後まで活気に満ちた中々見ごたえのある試合であった。(スコアに惑わされてはいけない。) フランスはウェールズと同様、往々にして不安定且つ一貫性に欠ける事で知られているが、出し抜けにとんでもなく痛快な勝利を収めたりするので大変面白いチームだ。夏の遠征試合だけでなく包括的に豪州、南ア、NZに対して最も多くの勝ち星を挙げている北半球のチームはフランスである。今年のシックス・ネイションズは惨憺たる結果に終わったフランス代表だが、南北半球の勢力均衡化を達成するためにもウィンク彼らの巻き返しに期待しようと思う。

ということで、夏の国際試合が終わると9月まで(欧州シニア男子の)ライブ・ラグビーを見られない。実にさびしい限りである。

 

 

△このページの先頭へ戻る

 

 

Left footer
Right footer