Head image on the left
From Dublin
books
four cats
Trees
Rugby Ball
欧州《ヨーロッパ》のラグビー 投稿

 『ヨーロピアン・ラグビー』 欧州ラグビー・ユニオンについて

division

待望のシーズン到来。そこで今日のテーマは「プロ12とアヴィバ・プレミアシップ」。

RaboDirect Pro12 & Aviva Premiership Rugby

2013年9月15日
ヨーロッパには3つの主要なプロ・リーグがある。フランスのトップ14 (Top 14)、イングランドのアヴィバ・プレミアシップ (Aviva Premiership Rugby/English Premiership)、そしてイタリアの2チームとケルト系三国アイルランド、スコットランド、ウェールズの10チーム(計12チーム)で構成されるラボダイレクト・プロ12 (RaboDirect Pro12) がそれらだ。トップ14に関しては知識不足で試合観戦の機会も少ない為 (試合中継の不定期性が原因) ここでは除外させていただき、イングランドのプレミアシップとプロ12リーグ(競技連盟)について少し書こうと思う。

現在のプロ12プレミアシップには構造と運営形式において共通する点が多い。プロ12には2010~2011年のシーズン (その年度まではCeltic League/Magners Leagueと呼ばれ、2009~2010年がケルト系三国のクラブおよび地域代表チームのみによる競技会としての最後のシーズンとなる) からイタリアの2チームが加わり、今は合計12チームでリーグ優勝を争っている。一方、プレミアシップは1999~2000年のシーズン (当時はAllied Dunbar Premiershipと呼ばれ、運営形式は現在と比べ若干異なる) 以降参加クラブ数12で固定され現在に至っている。両連盟とも毎年9月から5月末にかけてホーム&アウェー方式で総当たり戦が開催され、レギュラー・シーズンの終わりに上位4チームがプレイオフを行いリーグ覇者を決める。仕法は今と異なるがプレミアシップのプレイオフ制度は2000~2001年のシーズンから導入されたのに対し、プロ12のプレイオフは2009~2010年のシーズンから始まった。現在プレミアシップとプロ12のプレイオフ形式はほぼ同じ。レギュラー・シーズン終了後、リーグ順位表で首位のチームが4位のチームと、2位のチームが3位のチームとそれぞれ対戦し、これら準決勝の勝者が決勝戦に挑む。この最終戦での勝者がリーグ優勝チームの王座に就くわけだ。

先にも述べた様に共通点の多いこの二リーグだが、大きな違いが二つある。ひとつは、プレミアシップには’relegation/promotion’ (降格/昇格制度または入替制度)があるがプロ12にはそれが無いこと。もう一つは、ユニオン/ラグビー協会(Rugby Football Union) の代わりにプレミア・ラグビーLtd. (有限会社) という団体がイングランド・プレミアシップのリーグ運営を行っているのに対して、プロ12はそれぞれのユニオン/ラグビー協会[アイルランド、イタリア、スコットランド、ウェールズ]の代表者集団によって組織されていること。(従ってプレイヤー達は‘クラブ’ではなく、‘地域代表チーム’に所属している。) この二つ目の点は、今起こっているハイネケン・カップ騒動の要因のひとつになっている。

実を言うと自分はラボダイレクト・プロ12よりアヴィバ・プレミアシップの試合観戦を好む。プレミアシップの試合を生観戦(現地で観戦)した回数はプロ12のそれを上回るし、テレビでの観戦もプレミアシップかトップ14の試合を優先する。プレー/ゲーム自体の質は両連盟(プレミアシップとプロ12)の間に大差は無いと思うが、プロ12の試合はプレミアシップのそれと比べて少々面白味に欠ける。以下がその主な理由である。

  • ハイネケン・カップ出場権争いのスリルが希薄
    プロ12からの出場枠は10チーム(実際は11チーム出場する事が多い)、8割以上のため、プレミアシップやトップ14のクラブのようにリーグ成績を気にする必要はあまり無い。(特にスコットランドとイタリアのチームは寝ていてもハイネケン・カップに出場できる。) 因ってプレイヤー達の闘争心、競争心が乏しいように感じられる。
  • 昇降格制度(入替制度) 非有による緊張感の無さ
    降格制度がないという事は観る側にとっても刺激が不足気味なわけで、シーズン終盤の順位に興味が持てない。最終節が近づくと下位チームのプレイヤー達はどうしても勝利に対する意欲が希薄になる。降格制度があれば優勝争いだけでなく残留争いをも楽しめる。また、当然プロ12は参加チームの顔ぶれが毎シーズン同じ(イタリア勢の事例を除く)であるため、新鮮さに欠ける。
  • 観客動員数の少なさ
    ゆえに今ひとつ活気がなく、物足りなさを感じる。試合よりつい空席だらけのスタンドに目がいってしまう。(特にエディンバラとゼブラの対戦はじける) そのような試合は接戦であっても大して盛り上がらない。
  • 主力プレイヤーを温存する事が多い
    プロ12のチームは、ハイネケン・カップの試合や国際試合のために主要なプレイヤー達をリーグ戦に出さないことがプレミアシップやトップ14のクラブよりも多い。ダブリンからわざわざトレヴィーゾくんだりまでレンスターの応援に足を運んで、負傷中でもないのにオドリスコルやショーン・オブライエンのプレーが見られなかったらサポーターはやはり気を落として不満を覚えるのではないだろうか。主力プレイヤー不在の試合はともするとテレビ観戦するのさえ躊躇される。

以上のことから自分はプロ12よりプレミアシップを贔屓する。これはあくまでも私感だが、同意見の方も多くいらっしゃると思う。(プロ12とプレミアシップ)どちらも結局はエンターテインメントだ。ハイネケン・カップの将来が危ぶまれる中、プロ12はリーグ存続のためにも(ファンのためにも)大胆な改革を実行する必要があるだろう。

 

最新の試合結果やクラブ/チーム情報などは下記URLへどうぞ。
プレミアシップ・ラグビーの公式サイト http://www.premiershiprugby.com/home.php
ラボダイレクト・プロ12の公式サイト http://www.rabodirectpro12.com/home.php

 

△このページの先頭へ戻る

 

 

Left footer
Right footer