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我が家の猫住(獣)民と常連たち 投稿

 我が家の猫集団 – 猫住(獣)民と常連達にまつわる話

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猫屋敷になった経緯その3 - 惰性でまた一匹

エルモを引き取った翌年の夏、猫好き仲間でもあるTACの同僚マグスが(TACに)相談事を持ちかけてきた。「外飼いの猫が子供を産んだ。どうしたら良いか?」当時のTACにそんな事を言ったら奴がどんな反応を示すかは歴然としていた。まぁ、もともと意図的だったのだろう。仕事から帰るや否やTACはややためらいがちに切り出した。「職場のマグスが子猫の貰い手を探しているが…」「それがどうした?」「真っ白な猫が二匹いるそうだ。」「だから何だ?」「一匹でもいいから引き取れないだろうか?」「… またか。」 豪邸に住んでるわけじゃあるまいし、先住の猫達が不憫だろうが。もうほどほどにせんかい!みたいなことを言ってやったが、TACは飄々としてのたまった。「いや、この家にはまだ余裕があるし、四匹も五匹も変わらないさ。」 四と五では明らかに違うぞ‼と思いつつひひひ反論してみたが、結局何だかんだでまたもや押し切られ、心ならずも車で30分ほど離れた所に住むマグスの家へと向かったのだった。
マグスの裏庭には母猫を囲んで半睡している数匹の子猫がいた。彼らは随分人馴れしている様で我々が近付いてもびくつく気配など微塵もない。子猫達は生後三ヶ月弱らしいが、母猫にぴったりと寄り添って寝転がっている二匹の白猫は長毛のせいか年齢より大きく見える。(TACは純白猫に興味があった為) また長毛種を引き取る羽目になるのかといささかがっくりしていると、マグスが「白いのは二匹ともオスでとても人懐こく他の猫に対しても友好的」と言いながら白猫の一匹を拾い上げて我々に差し出した。その猫は全身白一色で、片目が青くもう片方が緑色のオッドアイを持っていた。この手の猫は片側の耳に聴覚障害のあることが多いと聞いていたので(実際には3~4割程度らしい)、早速TACに手伝わせてちょっとした実験をしてみる。身振り手振りで子猫の注意を引きながら、背後で小さな音を立てるというものだ。どうやら難聴の気はなさそうである。他の猫たちと一緒にしても問題ないだろう。そんな訳でオッドアイの白猫という点が決め手になり我々はその子猫を貰い受ける事にした。子猫との別れ際、マグスは泣き出さんばかりに何度もbye-byeを繰り返していたが。。。(後日TACは、'扱いやすい'外猫ならば避妊手術を受けさせるべきだとマグスにほのめかしたらしい。)

すっトボけた怪獣Caesar (シーザー)
シーザー生年月日:2001年5月。同居人の職場仲間から貰い受けた長毛で白一色の雄猫。右目が緑色、左目が青色のオッドアイでもある。ターキッシュ・アンゴラの血を引いているらしいが、もちろん血統書など無いため真実は不明。「こいつは将来大物(⁉)になるだろう」→「映画やテレビドラマなどで見るシーザー "古代ローマ皇帝" は純白の布 "toga" を身にまとっている(これは事実に反するが)」という印象、連想から彼にはこの名前がつけられた。
シーザーが育ち盛りの時期に、出張で数ヶ月間家を留守にしていたため残念ながらその頃の様子は分からないが、しょっぱなから奴はリラックス・モードで我が家での集団生活にもすぐに馴染み、さながら古株であるかのような態度をとる小生意気な環境適応能力抜群のチビだった。但しブッチに対しては、まるで子が親を慕うように後を付いて回ったり寄り添って昼寝したりと、なかなかの愛嬌を見せていたが。他の猫達にちょっかいを出す事はあっても執拗に追い回したりせず、比較的おだやかな子猫だったという印象がある。TACの同僚の言葉通り子供の頃はとても人懐こく、お客や押し売りが来ると玄関まで出迎えに行ったり居間にいるお客の様子を見に来たりしていた(好奇心旺盛だったとも言える)が、成長して知恵が付いた為か今では玄関ドアのノックの音を聞くと一目散に二階へ駆け上がっていく。(しばらくすると階下に降りて来るが。)
子猫時代のシーザーは、待ち伏せして人の足に飛びかかる事やドゥーゴルまたはブッチに毛繕いをさせる事、四つ足をいっぱいに広げて爆睡する事などが得意だった。ブッチ&ドゥーゴルと違って、カーテンや扉のてっぺん等高いところに登ることはさほど好まなかったが。(今でも彼は敏捷さや活発さとはあまり縁がなく、階段の手すりに飛び乗ろうとしてよく失敗する。) また、長毛の割りに意外ともつれにくく手入れのしやすい毛質だったのだが、歳をとるに従い毛玉ができやすく抜け毛も多くなってしまった。そして厄介なことにシーザーはほとんど自分の身なりに構わないにもかかわらず、こちらがブラシがけや毛玉の除去を試みると嫌がって逃げる。おかげで何度(汚らしくて)不快な思いをしたことか。。。うへぇ~ もう一つヤツが忌み嫌うのが(目に何か問題がある為かもしれないが)煙草や暖炉の煙。誰かが隣で煙草を吸い始めると顔をしかめて去って行くし、煙のたっている所には決して近付かない。その二点以外なら大抵の事には無頓着で、抱き上げられても抵抗するどころか必ず喉をゴロゴロ鳴らして(喉というよりむしろ腹)されるがままになる。彼はしばしば話しかけられるだけでうるさく喉()を鳴らす。どちらかと言えばズボラな性格だが、名前を呼ばれれば反応しこちらへやって来る。(まさに猫の皮をかぶった犬わはは) また「とってこい」はやらないが鉛筆、ボールペンなどに異常な関心を示し、見つけ出すと奪取して床の上で転がしながら走り回る。
なぜシーザーが「すっトボけた怪獣」なのかと言うと次のような訳がある。最近はそれほど頻繁にやらないが、ヤツは本棚によじ登り置物や本をなぎ倒す習癖があり我々が注意しても大概しらばくれる。誰も見ていない隙を狙って家中の扉や扉枠で爪を研ぐ。いくら叱咤しても(特にエルモが標的になるが)メス猫を追い詰め非情でえげつないパンチを連打することを止めない。更に一度きりだが、裏庭を散歩中(不審な物音を聞きつけ)パニック状態になって飼い主の腕に噛み付き大怪我を負わせ、リードを付けたまま逃走したことがある。シーザーは20分ほど庭内の茂みの中に身を潜めた後、餌に釣られて何食わぬ顔で勝手口に戻って来たのだった。翌日飼い主は、その数箇所のパンク穴(負傷)を半ば放置したのが災いして、高熱を出し一日中寝込んでいた。(まったく、あの時はえらい目にあった貴重な体験をさせてもらった。) それ以来散歩の回数が大幅に削減され、本猫はますますぐうたらになった。
稀代の"alpha male" (群れを支配する雄) となる事を期待されたシーザーだったがウィンク結局腰抜け、無精者でノーテンキな猫に成長してしまった。まぁ、比較的扱いやすいのは有難いが。。。

 

 

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