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その他もろもろ(四方山話) 投稿

 アイルランド・ダブリン発の四方山話 "もろもろの事柄"

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アイルランドの冗談と笑い話 - 第二部

2013年7月15日
前回に引き続き、アイリッシュ・ジョークと呼ばれるものの中からいくつか挙げてみよう。

The quickest way

アイルランド共和国An Englishman stops Paddy in Dublin and asks for the quickest way to Cork.
Paddy says 'Are you on foot or in a car?'
The Englishman says 'In a car.'
Paddy replies 'That's the quickest!'

イングランド人がダブリンでパディを呼び止めてコークにはどう行くのが一番速いかを訊く。
「歩いて?それとも車で?」パディが言う。
「車で。」イングランド人が言う。
「それが一番速い!」とパディは答える。

'Englishman'は'Scotsman'や'Welshman'とも交換可能であり、'Paddy'は'Murphy'や'Seamus'など他の誰でも良いと思うが(但しアイルランド人のみ)、これはパディ・ジョークと呼ばれるものの一つで「パディ」は愚かで滑稽な人物として扱われている。(この場合最後のパディの台詞は相手を小馬鹿にしている様にも聞こえる。) パディ・ジョークの起源はイングランドにあるらしいが、この国ではアイルランド人が自らの民族性や文化を茶化したり皮肉ったりする事も珍しくはない。恐らくイングランド人(彼らは自身を物笑いの種にする事に優れている)に感化されたのだろう。しかしながら、この種のジョークが他民族の口から発せられると異常なほどの拒絶反応を示すアイルランド人もいる。

A Kerry emigrant

A Kerryman emigrated from Ireland to England, thereby increasing the average IQ of both countries.
ケリー人がアイルランドからイングランドに移住した。それによって、両国の平均IQが上がる。

これはウィル・ロジャーズ現象を基にしたアイルランド版のジョークである。前回説明したようにケリー人(カウンティ・ケリー 'Co. Kerry' の人間)はオツムが弱いというのを前提にしているが、更にイングランドの知的レベルをも揶揄している。

Irish Wedding and Irish Wake

ひつぎQ: What's the difference between an Irish wedding and an Irish wake?
A: One less Drunk.

Q: アイルランドの結婚式と通夜の違いは何か?
A: 酔っぱらいが一人少ないこと

'a wake'とは「通夜」の意。結婚式では参加者全員が飲酒するが、通夜の席では酒飲みが一人少なくなる(故人)という酒好きな国民性をからかったもの。

Another one

ビールA man walked into a pub and saw a friend sitting with an empty glass. 'Paddy, can I buy you another', he asked, to which Paddy replied: "Why would I want another empty glass?"
男がパブに入って行くと空のグラスを前に座っている友人が目にとまった。「パディ、もう一つおごろうか?」男は尋ねた。パディはそれに答えて言った。「空のグラスもう一つなんて欲しいわけないだろう。」

酒にまつわる冗談をもう一つ(ウィンク)。"男" はパディに一杯おごるつもりだったが、肩透かしを食らってしまった(!)。(いや、恐らくパディの返事に大喜びしただろう。) これもパディ・ジョークと呼ばれるもので、' Paddy 'はアイルランド人のニックネームとしても使われる。別のバージョンではパディ以外の人物が登場するか、あるいは特に名前を出さないこともある。

The quickest way to a hospital

A Dublin business man had to go to a meeting in Edinburgh. He was afraid of flying, so he took the ferry to Liverpool and caught the train to Edinburgh. On the way he began to feel unwell. By the time the train reached Glasgow, he had to get off. He stopped a porter and said "Excuse me, what's the quickest way to get to a hospital from here?" The porter pointed and said "See that pub there? That's a Rangers pub. Go in there and sing 'Danny Boy'!"
ダブリンのビジネスマンがエジンバラでの会議に行かなければならなかった。彼は飛行機に乗るのが怖かったのでフェリーでリバプールまで行き、そこからエジンバラ行きの列車に乗った。途中で彼は体調不良を感じ始め、列車がグラスゴーに到着する頃には途中下車せねばならなかった。彼はポーターを呼び止めて言った。「すみませんが、ここから病院まで最も速く行く方法は何ですか?」 ポーターは指をさして言った。「そこのパブが見えるかい? あれはレインジャーズのパブだよ。中に入って"ダニー・ボーイ"を歌いな!」

これはアイリッシュの友人から聞いたジョークでやや冗長気味だが、要するにアイルランド人がグラスゴーで急病になり一刻も早く病院に行く必要があったのでその方法を尋ねたところ、すぐ近くにあるレインジャーズのパブに入って"ダニー・ボーイ"を歌えと教えられた、という笑話である。少々古臭い感は否めないが、カトリックのアイルランド人がプロテスタントのレインジャーズ・サポーターが集まるグラスゴーのパブで"ダニー・ボーイ" を誇らしげに歌えばどうなるか、想像に難くない。(やはりタクシーよりは救急車の方が速いだろう。) 割と意表をついた発想のジョークである。フットボール・ファンにしか通じないかもしれないが。

他にも多数あるがそのうちまた紹介したいと思う。

 

 

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