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欧州《ヨーロッパ》のラグビー 投稿

 『ヨーロピアン・ラグビー』 欧州ラグビー・ユニオンについて

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さて、初回のトピックは「ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズ」。

The British & Irish Lions

2013年5月15日
ライオンズをよく知らないというあなたの為に少し説明を。

ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズ (The British and Irish Lions) [又は単にザ・ライオンズ] はイングランド、スコットランド、南北アイルランドとウェールズから選ばれたプレーヤーによって構成されるラグビー・ユニオンのチームで、四年ごとに南半球の三カ国オーストラリア、南アフリカ、ニュージーランドへ順次遠征しホスト国のナショナル・チームならびに地域代表やクラブなどと対戦する。近年、ナショナル・チームとの対戦は三試合でツアーの終盤に行われる。因みに、2001年のオーストラリア・ツアー以前はブリテン島またはブリティッシュ・ライオンズと呼ばれていたが、ブリティッシュという言葉の曖昧さを避け、UKとアイルランド共和国との混合チームである事を強調する為に現在の名称に変わった。

随分前にイングランドのジョニー・ウィルキンソンが書いた「ラグビー・プレーヤーの三大目標は[又はラグビー・プレーヤーとしての頂点は]シックス・ネイションズ、ワールド・カップそしてライオンズのスクワッドに選ばれる事だ。」というような内容の新聞コラムを読んだことがある。彼らにとってライオンズの一員に選ばれるのは非常に名誉なことで、結構な報酬も支払われる。今年(2013年)の豪州遠征ツアー俸給は一人頭基本で45,000ポンド(全試合勝った場合は22,000ポンドの上乗せ)とか。豪州ツアーは 6 月1日からでスクワッドの選考発表が先日4月30日に行われたが、はやばやと昨年の秋頃からすでにあちこちで選抜プレーヤーの予想や戦略予想などの話題が聞かれていたし、プレーヤー達も自己売り込みに余念が無く、ジョニー・ウィルキンソンブライアン・オドリスコルゲティン・ジェンキンズなどのベテラン勢が各種メディアでスクワッド入りの意欲を語っていた。毎回UKやアイルランドから大量のサポーターが現地に押し寄せるが、ホスト国である豪州、南ア、NZでも大人気のスポーツ・イベントで、「12年に一度だけでは物足りない!」と言うファンが多い。ホスト国居住者は額面価格でテスト・マッチのチケットを購入できるが、UKとアイルランドのサポーターは代理業者を通して(チケットを含む)パッケージ・ツアーなどを購入しなければならず、今回の豪州遠征公式パッケージで一番安いものは何と2,499ポンド(!)。それでもブリティッシュ/アイリッシュ・ファンは大挙して冬の南半球に出掛けるのだから、その熱の入れようは半端じゃない。
✽ 実はパッケージ・ツアーを購入しなくても(大枚をはたかなくても)、現地の家族や友人に試合のチケットを手に入れてもらう事が出来れば生観戦は可能だが。

個人的には逆のフォーマット(豪州、南ア、NZの選抜チームがUKとアイルランドへ遠征する)もあって良いのではないかと思うが、SANZAR(南半球3カ国ラグビー連合協会)にはそんな余裕などないかもしれないし、多分これ以上試合数を増やしてプレーヤー達を酷使するのは無理だろうな。

今回、選考発表十週間前の下馬評ではライオンズ・スクワッド入り有力候補は以下の通りであった。
フッカー:Rory Best (Ireland)
フランカー:Ryan Jones (Wales), Chris Robshaw (England)
スクラム・ハーフ:Greig Laidlaw (Scotland)
フライ・ハーフ:Owen Farrell (England)
ウイング:George North (Wales), Leigh Halfpenny (Wales)
センター:Matt Scott (Scotland), Brad Barritt (England), Brian O'Driscoll (Ireland)
フルバック:Stuart Hogg (Scotland)
なかでもローリー・ベストとスチュアート・ホッグは際立って評価が高く、スクワッド入りが有力視されていたが何とローリー・ベストは今回選考から漏れ、ハイネケン・カップで健在ぶりを見せていたジョニー・ウィルキンソンも残念ながら選出されなかった。と言うか、ウィルキンソンは体調面の不安を理由に辞退した模様。(ケガ人などがあった場合に備えて待機状態らしい。) 驚きの選抜も何人かあったが、ヘッド・コーチがウェールズ・ボスのウォーレン・ガットランドという点が色濃く反映された結果となった。(そりゃ当然か。) しかし、ガットランドはシックス・ネイションズの指揮も人に任せて、ライオンズのヘッド・コーチとしての任務にいそしんでいたが、(彼がいなくてもウェールズには影響がないという事か…)その必要があったのだろうか…。

結局、選ばれたのは以下の37名。
<フロント・ロー>
プロップ:Dan Cole, Cian Healy, Gethin Jenkins, Adam Jones, Matt Stevens, Mako Vunipola
フッカー:Dylan Hartley, Richard Hibbard, Tom Youngs
<セカンド・ロー>
ロック:Ian Evans, Richie Gray, Alun Wyn Jones, Paul O'Connell, Geoff Parling
<バック・ロー>
フランカー:Tom Croft, Dan Lydiate, Sean O'Brien, Justin Tipuric, Sam Warburton (Capt)
ナンバー・エイト:Toby Faletau, Jamie Heaslip
<ハーフ・バックス>
スクラム・ハーフ:Conor Murray, Mike Phillips, Ben Youngs
フライ・ハーフ:Owen Farrell, Jonathan Sexton
<スリー・クォーターズとフル・バック>
センター:Jonathan Davies, Brian O'Driscoll, Jamie Roberts, Manu Tuilagi
ウイング:Tommy Bowe, Alex Cuthbert, Sean Maitland, George North
フル・バック:Leigh Halfpenny, Stuart Hogg, Rob Kearney

ネイション別では、ウェールズから15名、イングランドから10名、アイルランドから名、スコットランドから名。因みに、四年前の南アフリカ遠征ツアーのスクワッドはやはり37名編成で、ウェールズから13名、イングランドから8名、アイルランドから14名、スコットランドから2名だった。

<ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ コーチ陣>
ヘッド・コーチ:Warren Gatland (ウェールズ ヘッド・コーチ)
アタック・コーチ:Rob Howley (ウェールズ アタック・コーチ)
フォワーズ・コーチ:Graham Rowntree (イングランド フォワーズ・コーチ)
ディフェンス・コーチ:Andy Farrell (イングランド バックス・コーチ)
*コーチ陣増員の可能性あり。
**4月24日、Neil Jenkins (ウェールズ スキル・コーチ) がキッキング・コーチとして参加。
***5月26日、Rory Best(ローリー・ベスト)がライオンズのスクワッドに召集された。

 

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